今、注目すべきオーラルフレイルと歯科医院の役割

2018年11月29日 (木)

コラムテーマ:
口腔機能不全と予防歯科の必要性

みなさま、こんにちは。

船井総合研究所の齋藤真緒(さいとうまお)です。

 

今回は、オーラルフレイルと口腔機能低下症についてお話します。

 

最近、歯科医師会やその他の講演の場で「オーラルフレイル」という言葉を耳にされる方も多いのではないでしょうか?オーラルフレイとは、Oral(口腔) Frail(虚弱)という意味で、口腔機能の低下や咀嚼機能の衰えのことです。このオーラルフレイルという状態は、健康な身体の方と要介護状態の方の中間に位置しています。口腔筋機能や咀嚼能力が低下してしまうことで、うまく食事ができなくなり、十分に栄養をとることができなくなります。また、人と上手く会話もできなくなるため、人や社会との接触を避けるようになり、家に引きこもりがちになってしまいます。これらのことから、栄養障害や筋力が低下して要介護となってしまうのです。

 

逆にいえば、口腔筋機能や咀嚼能力を維持できれば、フレイルの状態は回避できるといえます。

(出典)飯島 勝矢: 平成26年度厚生労働省老人保健健康増進等事業 食 (栄養) および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防 (虚弱化予防) から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究 事業実施報告書, 2015.
http://www.iog.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2015/06/h26_rouken_team_iijima.pdf (参照 2017-11-08).より引用

 

なお、現在の日本における高齢者(65歳以上)のうち、要介護認定の高齢者人口の将来予測としては、2018年で630.7万人から2040年には960.6万人を迎えるといわれています。

 

要介護の高齢者の増加を食い止めるためには、早期に口腔筋機能や咀嚼能力の低下、口腔内の衛生状態の悪化(オーラルフレイル段階)を発見し、適切に対処することが重要であるということです。このオーラルフレイル段階を早期に察知するため、皆さまが経営されている歯科医院の果たす役割は非常に大きいでしょう。次の2つに大きく集約できるかと思います。

 

①口腔内のケア

高齢者の患者様が定期的にお口のメンテナンスを行うことで、口腔内の異常を瞬時に察知し、対策することができます。歯科医院としては、高齢者の患者様のリコール率を高めていかねばいけません。

 

②口腔筋機能の維持

咀嚼、嚥下、発音などの口腔筋機能に異常がないかということを、歯科医院がきちんと把握することです。2018年の診療報酬改定で、口腔筋機能管理加算が新設されましたが、高齢者の口腔筋機能の状態を早期に察知し、改善することが求められています。

 

詳しい算定の方法は、コンサルタント長谷川のコラムに記載されていますので、ぜひご確認ください。

 

◆口腔機能発達不全症と口腔機能低下症に見る予防型歯科医院へのシフトの必要性コラム

http://ur0.biz/O01m

 

オーラルフレイルというキーワードが注目されていますが、今後はさらに口腔機能低下症の診断基準等に関して研究が進んでいくことと思います。歯科医院が2025年の超高齢化社会を目前にして、果たすべき役割は非常に大きいといえるでしょう。。

 

齋藤

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