来る人口難に備えた生産性向上

2018年01月11日 (木)

コラムテーマ:
その他
お世話になります。
船井総研の砂川です。
本日は第二回目のメルマガです。
昨日の内容については以下のURLからご覧ください。
/425-45/
本日は、
② 来る人口難に備えた生産性向上
についてです。
先のメールマガジンでもお送りした通り、
今後の日本の社会構造が生産性増を何度も
お伝えをしている大きな要因です。
いくら院内の環境を良くしたところで、
外部環境の変化には抗えません。
ご存知の通り、日本は現在人口減少、
超高齢社会です。この現状をざっくりと理解
していただくためにお伝えしますと、
100年間で約4000万人増加し、
更にこの先の約50年で約4000万人減少をするというものです
正確には2060年には8000万人台まで
減少をしていきます。高齢化率はおよそ40%、
生産年齢人口は約50%です。
船井総研が新卒を積極採用する理由はここにあります。
先進国の中ではこれまで例がなく、
世界的に今後の日本がある意味で注目をされているのです。
2020年には女性の半数が50歳以上、
2024年には団塊世代が全て75歳以上となり
社会保障費が大きく増加、
2026年には5人に1人が認知症という、
考えただけでも恐ろしい時代が到来すると言われています。
出生率もご存知の通りの状況ですから、
同時に若者も大きく減少をしていきます。
生産年齢人口の減少、GDPの低下は国富の衰退と
ほぼ同義であることから、現在の日本の国策は
この状況においても、成長はしていかなければ
ならないということであらゆる施策をとり始めています。
現在のGDPはおよそ540兆円ですが、
2025年に向けて、
(高成長)2.0%成長で635兆円、
(低成長)0.8%成長で575兆円、
と内閣府のデータから試算できます。
国は成長しなければならないが、
人が少なくなるという板挟みの状況です。
つまり、数字をご覧になって一目瞭然なのですが、
0.8%成長、2.0%成長のどちらのパターンに
なったとしても、圧倒的に人手不足になるということです。
具体的な数値としては、
仮に0.8%成長の場合で試算しても、
2025年には約580万人の人手不足になります。
(高成長の場合は1255万人の不足です…)
あまりイメージがつかないかもしれませんが、
2016年時点での不足数は約248万人とされていますので、
7年後には今の倍以上の人が足りなくなるということです。
※あくまでこのままいった場合の試算です
歯科医院の場合、
「最近は無資格者すら採用が難しくなっているよ!」
というお声をよく頂戴するのですが、
資格者であればより採用が難しくなるということは
容易に想像できます。
世界をみても例がないほどの需給ギャップを迎える日本が
現在取り組んでいることが以下の4点です。
・生産性向上→114万人の需要減
・女性の労働参加促進→313万人の供給増加
・男女シニアの労働参加促進→121万人の供給増加
・外国人の労働参加促進→34万人の供給増加
都合、約583万人です。
今年の船井総研の経営研究会(FDI)総会の
MVPでもあるあゆみ歯科クリニック様の取り組みにもある、
企業主導型保育の事例は上記の2つ目を解消する
ための大きな取り組みと言えます。
ぜひこちらの資料もお読みください。
あゆみ歯科様の事例も掲載されています。
/wp-dental/wp-content/uploads/2018/01/FDI.pdf
昨年はニューヨーク、ボストン、上海などの
海外出張が多く、あらゆる事例を見てきました。
簡単に記載します。
流通革命と言われている、
グーグルの倉庫無人化の事例(日本のグーグルでも実用化)。
創業約20年で時価総額が世界のトップ10入りをした
中国のアリババ、テンセントなどの事例
(キャッシュレス・クレジットレスの社会)。
ネットで調べれば簡単に出てきますので、
ぜひお調べください。
いずれも大幅に人員を削減しつつも、
生産性を大きく向上させている事例です。
日本国内でも、AIを利用した、パン屋のレジの事例、
農薬をAIで自動散布する農業の事例、
キュウリを自動仕分けをする農業の事例、
生産性向上のための多くの事例があります。
つまるところ、人がやらなくても良い仕事は
外部環境の影響もあり強制的にロボットやAIに
シフトをしていかなければ立ち行かなくなるということであり、
まさに今日本が直面している課題と言えます。
今後は受付を無人にする医院も出てくるかもしれません。
逆を返せば、受付としている意味がないのであれば、
受付の仕事はなくなっていくということになります。
例えば、いることで患者さんが大変満足をするホスピタリティに
秀でた受付さんなどは残るでしょう。
10〜20年後には現存する約半数の仕事が
なくなる時代が到来すると言われているのはこのためです。
もちろん、歯科医院でできることは限られていますが、
日々の診療の中での小さな積み重ねで生産性を上げていくことも
さることとながら、人でなくても良いところは自動化をしていく
という「省人化」の発想も大切になるでしょう。
本メルマガでのポイントは、以下の5つです。
・生産性を上げて省人化の体制づくり
・若者(新卒)比率を上げて幅のある人員体制づくり
・若者(新卒や未経験者)が即時成長できる教育体制づくり
・活躍・貢献するベテランを重宝する
・従業員が長く働ける環境整備
歯科医院においても、この外部環境にいち早く
取り組んだ医院さんこそが(生産性が高くないとなかなか取り組めませんが)、
これからの厳しい時代においても患者さん、従業員に長く
必要とされる医院となれるのだと思います。
以下、明日お送りする内容です。
③ 組織力の向上(会社好き・仲間好き・仕事好き)
本日も長文になりましたが、
最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。
明日も宜しくお願い致します。
船井総研 砂川

◾️この記事を書いたコンサルタント

砂川 大茂

プロフィール詳細

慶応義塾大学大学院ソーシャルイノベーション学科卒業。船井総合研究所に入社後は、大手企業向けの戦略コンサルティング、および歯科医院活性化のコンサルティングに従事。歯科コンサルティングにおいては即時事業アップのマーケティング、独自のビジネスモデル提案、WEBマーケティング、スタッフマネジメント・教育に関して圧倒的な評価を得ている。船井総合医療・介護コンサルティンググループ史上、最速でチームリーダーになるなど社内外からの信頼は厚い。現在は50院以上の歯科医院のコンサルティングに携わっている。

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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