分院展開のタイミング‐歯科医院経営のツボ‐

2014年06月04日 (水)

コラムテーマ:
歯科医院経営

分院展開の課題

分院展開で課題としてあがってくるのが、

「安心して任せられる分院長がいない」、「納得できる物件(立地)がない」

などをお聞きしますが、歯科医院経営のテーマの中でも、

分院展開は非常に難しい問題かと思います。

 

売上規模別の課題を整理すると、

①3,000万円~5,000万円

→増患、リコール率アップなど医院のベースアップ

②5,000万円~8,000万円

→自費率アップ(保険中心から自由診療の比率を高める体制へ移行)

③8,000万円~1億円

→自院の特徴作り(専門特化)、代診の採用、医療法人化

④1億円以上

→採用~教育の強化、評価制度の導入、分院展開

などがコンサルティングとしても、

お手伝いさせていただく場合が多いです。

 

どの売上規模の歯科医院様でも、

共通で課題となるテーマはありますが(例えば歯科衛生士採用)、

分院展開に関しては、本院が1億円を突破されてから検討される場合が大半です。

分院展開はした方が良いのか?

「分院展開はした方が良いのか?」

と仮に院長先生に尋ねられたとすれば、

答えは「YES」「NO」どちらでもあり得ます。

 

まず、分院展開は医院の規模を拡大するということになりますので、

目的がはっきりしないのであれば、確実にしない方が良いです。

 

医院の規模を拡大すればするほど、

ドクター業から経営者業の比重が高まりますので、

「人に任せる」ということが出来なければ成功しません。

 

例えば、

  • チェア3台
  • ドクター…1名
  • 受付…1名
  • 歯科衛生士…2名
  • 自費率30%以上

で売上が5~6,000万円の規模で診療をしている方が、

診療の負担が少ない上に利益率も高く、

患者様としっかり向き合うことが出来るので、

ドクターとしての喜びも高いかもしれません。

 

私のご支援先でも、

医院の規模を拡大することには懐疑的な先生もいらっしゃいます。

 

しかしながら、小規模で診療をする場合、

長年に渡って歯科衛生士の採用で悩んだり、

求人の条件面でかなり不利な状況になります。

 

「厚生年金に入っているかどうか」

「土日の休みがあるか」

などは歯科衛生士の方が非常に重視されることですので、

そもそもそのような条件面が満たされていない場合、

選択肢からはずされてしまう可能性もあります。

 

さらに、シフトの融通が利かずに休むことのできない診療体制では、

結婚や出産でスタッフが辞めることになった場合、一気に不安定な状況になります。

分院展開で何を目指すか?

「分院展開で何を目指すか?」

この問いに対して明確に答えられるのであれば、

分院展開はされた方が良いかと思います。

 

私のご支援先で、

「分院展開をして10億円を突破したい」

という先生がいらっしゃいますが、

その根底にあるのは、

  • スタッフに日本一高い給料を払えるようにしたい
  • 女性として自立して働ける環境を整えてあげたい
  • 結婚しても辞めない制度を整えていきたい

など働いているスタッフの幸せを望んでおられます。

 

上記のことを達成するためには、

売上がなければ難しいことですので、

規模を拡大することに迷いがありません。

 

単院で規模を大きくするのではなく、分院展開を考えているのも、

開業を考えているドクターの独立支援や、

それぞれの専門性を出した医院で、

適材適所の配置が出来るようにすることを視野に入れられているからです。

本日のまとめ

院長先生が何を望むかで医院の方向性は大きく変わります。

 

分院展開を本気で検討されている先生は、

「そもそもなぜ分院展開をするのか?」

という目的をはっきりさせることが大切かと思います。

 

目的がはっきりとされており、

分院長として任せられる人材に心当たりがある時が、

分院展開の適切なタイミングではないでしょうか?

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この記事を書いたコンサルタント

森 太寅

プロフィール詳細

「治療技術は一流でスタッフの方々に対する愛情もあるのに、そのことを上手く伝えられていない院長先生が圧倒的に多い」。コンサルティングの現場で感じた経験から、院外・院内での情報発信、先生とスタッフの円滑なコミュニケーションを図り、先生の思いを実現できる医院の姿を目指していく。先生、スタッフ、患者さま、それぞれの間に入り、「つなぐ」ことをコンサルティングの信条としている。

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