成功事例:青野歯科医院様

青野歯科医院 青野 院長様

千葉県柏市で開業しておられる青野歯科医院様は1980年に開業された歴史のある医院様です。 現院長の青野寛史先生は2016年より院長に就任され、医院をより発展的に成長させ、 地域の患者様に良質な医療を提供するための努力を日々行われておられます。

〒277-0858 千葉県柏市豊上町16-10

http://www.aono-dental.com/

医院紹介

今回会員レポートを担当させて頂く事になりました、青野歯科医院院長の青野です。
当医院は千葉県柏市で前院長の父が1980年に開業し、今年で38年目の医院となります。
それまでも私は非常勤として医院には関わっていましたが、本格的に医院引き継ぎのため2014年より常勤化&副院長に就任。2016年からは父より院長を交代しております。
2014年当時の医院の状況としてはユニット数6台で保険中心で数をこなしていく『保険中心型医院』でした。
幸い新患数も月平均50~60以上はキープ出来ており、利益は少ないながらもなんとか経営していたという状況でした。
しかし近年は新患数の低下、アポ数の減少など経営状況は悪化し、私は非常に危機感を感じるようになりました。
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船井総研との出会い

当時の自院に危機感を感じていた私は『病院組織の抜本的改変』を行わなければ未来はないという考えで、いくつかの点において、父とは経営面で何度か衝突する事がありました。しかしそこは家族間継承では避けて通れない点だと思っています。そんな中で私は自分ですべての事柄をやろうとするのではなく、外部の力を借りることで医院の改革を計ろうと思い始めていました。
2016年夏に、私は思い切って船井総研にコンサルタントを依頼することを決意したのでした。その後父も全面的にバックアップをしてくれるようになっています。

医院で取り組んできたこと

船井総研では松谷さんに担当して頂いております。
当医院の当時の問題としては スタッフ教育の不行き届き, キャンセル率が高い, 新患率の低下, 自費率が低い, 先代院長の多額の借金返済がまだ完済していない 等、問題が多数あり、一つずつ問題を潰していく必要がありました。
先ずは時代のニーズにマッチしたスタッフの育成を行うと同時に自費率をアップさせキャッシューフローの正常化を目指す。
その後、新患率向上とキャンセル率の低下を行うという流れです。
※実際には新患率アップのためのHPリニューアルは船井総研依頼前に独自に行っていたのですが、完成まで一年を要してしまいました。

第一段階: スタッフの再編成&教育
穴の空いた容器に水を注いでも意味が無いのはどの業種でも同じ事で、自費率アップや新患率アップにだけ注力しても一過性の業績アップに留まってしまうのは目に見えています。
通常であれば患者さんの受け皿となるハード&ソフト(医院設備&人)を十分に強化した後に新患対策などを行うのが正攻法だと思いますが、月々の返済もありこの辺りのバランスをぎりぎりで調整しながらの対策を行っていきました。
当時のスタッフは完全に『回す治療』に対応するため人材育成というソフト面の強化が全くなされておらず 金髪、ピアス、医院内での盗難、無断欠勤、ため口で話す、一切勉強会等は参加しない 等、恥ずかしながら学級崩壊した高校のような状態。それも保険で数をこなせれば良いという考え方であったため手技的なレベルも決して高いとは言えない状況でした。
そこで医院内での序列、指揮系統を正常化しました。
具体的には就業規則、雇用契約書を社労士に依頼し厳密なものを作製。朝礼、終礼、定期ミーティングで医院改変について繰り返し伝える。というようなことです。
不幸中の幸いといいますか、このころ患者数が減っており、ある程度スタッフの数が減少した方が経営的にも正常化出来る状態でしたので、そのバランスがとれるギリギリのラインでかなり攻めの姿勢でこの改革を推し進めていきました。
また、外部のスタッフ教育専門トリートメントコーディネーターとも契約し、院内の不安要素のピックアップ&スタッフケアをおこなっています。(現在も継続中です)

中小企業の一番の悩みは良い人材の不足と言いますが、人手の欲しさに無闇に採用と言う事は廃止。採用基準を大幅にアップし、筆記、面接、体験入社、試験雇用期間を経てからの本採用という様に『来る物を拒み、去る者は追わず』のスタンスで役に立ちそうな『人材』のみを採用するようにしていきました。
また、スタッフになるべく頼らない強い医院作りのため『機械化』を進め、 掃除ロボット, 除染器, WEBアポイントシステム, ハンドピース洗浄機 等を導入。さらに終業前の一時間のみ清掃専属スタッフを雇用をし、本当に必要である人手以外は徹底してカットしていける体制作りを進めています。
また、常勤スタッフの雇用形態は半年ごとの更新とし、必要であれば迅速に組織の新陳代謝が行えるように体制を整えました。
勿論この取り組みを円滑に行う前準備としてWEBを使った求人対策を事前に行っています。
このような取り組みを開始し約1年半程で当時のスタッフは数名を残しほぼ総入れ替えとなりました。
またスタッフ定着化の試みとして現在、社食の導入(オフィスおかん), 労働時間の見直し(月曜、金曜の時短終業)等を実験的に行っています。

第二段階: 自費率アップ
今まではインプラントやメタルボンドなどが月に数本という状態で安定しなかった自費でしたが、スタッフ入れ替えの状況に応じて自費カウンセリングを本格的に取り入れるようにしていきました。
地域相場の価格設定を考慮しながら自医院での自費価格(数ヶ月間、複数の価格幅で実際にテストランし、適正価格を割り出し)を再設定。現在はハイクオリティーセラミック補綴を主軸に自費義歯などもある程度数が出るようになってきております。
正直自費には地域柄出る物、出ない物があるとは思いますが、当医院では待合室で患者さんが無意識のうちに"セルフ自費カウンセリング"して頂けるような取り組みを少しずつ取り入れています。
具体的には待合室のテレビで自費歯周治療のDVDを繰り返し流す、オリジナルセラミック小冊子の配布、自費補綴物説明用資料の充実(性別毎ポスター、写真付き説明文、見やすい価格表)等です。
勿論診療でも医師、衛生士によるカウンセリングは行いますが、その際も内容に統一性を持たせるため、スタッフ教育用DVDを作製し一定のクオリティーが保てるよう注意しています。
自費が出にくい地域というのは、おそらく情報に対する感度があまり高くない"パッシブ型"の患者層が住む地域なのではないかと思います。
であれば、ある程度まとまった情報量を診療前後に無意識に取り入れて頂ける体制を整える事で、自費の"地域差"を縮小出来るのではないかと考えています。因みに自費歯周治療は現在数ヶ月待ちという状態まで伸ばす事が出来ましたので、取り組みの有効度の分析と定着化を急がなければと思っています。

第三段階: 新患率アップ&キャンセル率低下
なんとか医院の新しい体制が芽吹いてきたところで新患率アップ、キャンセル対策を行いました。
新患率アップに関しては当院の場合立地が一番の問題であります、最寄り駅から徒歩30分、バスでも20分という利便性の悪さをどのようにカバーするかということが課題でした。
他院様は皆さま便利な場所に立地しておられ、普通に考えれば、そちらに行かれるかと思います。
当医院は新道路開通に伴い車通りが減少し、さらには旧住宅街のため全体の人口も減少しています。
そこで近隣のアピールのみならず、あえて数キロ圏内の潜在患者層にアピールするようにWEB対策を施しました。
結果全盛期の80%程度まで新患率は回復してきましたが、これについては自費含めた治療バリエーションを増やす土台作りのため、まだ追加対策の必要性があると感じています。
キャンセル率は先ず原因究明のためにWEBアポイントシステムのデータを分析。結果、キャンセルは一部の患者さんがかなりの割合で数値を押し上げている事が判りました。そのためキャンセルルールの徹底を行いました。
患者さんに一定回数以上のキャンセルがあった場合は当日の予約以外とれなくなると言う同意書にサインして頂き、半年間累計で6回以上キャンセルがあった場合は原則14日以上の期間を空けて予約を取る, 6回以上キャンセルで無断キャンセルの方にはこちらからの連絡はさし上げない&WEB予約システムの凍結を行う。
以上のルールに添って予約管理を行ったところ約10%ほどキャンセルは減少し、結果まじめに通って頂ける患者さんが残っていくようになりました。
厳しすぎるルールかな?とも思っていたのですが、それにより全体の患者数が減少した事よりも、まじめに通って頂ける方が増加した事により自費成約率がアップし、また細かいトラブルも起こりにくくなり、結局は売り上げも安定し、今のところルールがうまく機能していると感じています。

これらの取り組みを行ってきた結果(まだ全ての段階の進行度は完璧とは言えませんが)、『自費増加、キャンセル減少による収入安定化傾向、新患率の回復、スタッフの各種取り組み能力向上』と、当初と比較し、現状では全体が改善傾向となってきています。

FDI

FDIでは実際に他医院での取り組みを肌に感じる事が出来、普段自分の医院という狭い文化圏でのみ就業している事で必然的に視野が狭くなってしまうのを防ぐ良い刺激になっています。取り入れられるアイディアは可能な限り早期に取り入れるように努力しています。

今後実施していきたいこと

医院経営で重要なのは戦略決定と実行につきると思います。
一般企業と違い比較的小規模組織である歯科医院は、ほとんどの場合その戦略立案と実行の両方を院長自ら行っていかなければなりません。(少なくとも組織が未熟であるうちは)
しかしながら歯科界を取り巻く複雑化する環境の中で、この先生き残る組織になるには、院長不在でも機能する組織の形成、情報の共有化と確実性・実効性のある指揮命令系統、意思決定機関と実行組織の分担を構築する事が急務なのではないでしょうか。
女性の職場であると言われる歯科医院ですが、仕事が出来るスタッフがいる、利益を生み出す環境が現在構築できている等、現状に満足してしまっては永続的にその状態を維持するのは難しくなってくるでしょう。
院長不在でも自ら時流に応じて変化する組織、そして変化に富みながらもコントロール可能な組織こそが人材不足、収入減の時代を強く歩んでいく事が出来る物と感じています。
そのためには原動力であるスタッフ各人のマネジメント能力向上を核とし、働き手の象徴として存在する強い歯科医院というものを樹立し、またスタッフ集合体が歯科医院そのものとして時流に応じて変化しながらシームレスに現場にフィードバック出来る状態を作り出す必要があるでしょう。働き方に多様性が求められるこれからの世代の『働きがいがある』職場環境とは何なのか。歯科医院の在り方が問われる時代になってきていると考えます。
病院を動かすのは個人ではなくチームと言う事を忘れず、機動力のある組織作りとスピード感のある戦略実施が行えるよう院長として尽力していきたいと考えています。
青野歯科医院
〒277-0858 千葉県柏市豊上町16-10
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歯科医院経営研究会(FDI)とは、歯科医院の業績アップを目的に、歯科医院経営の時流や専門情報、即実践ツールの紹介、参加者同士の成功事例を共有する研究会です。

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