日本の影響力

2013年05月28日 (火)

コラムテーマ:
その他

皆さん、こんにちは。
船井総合研究所の歯科チームです。
 
大阪経営支援本部の研修として、
5月25日~27日にタイのバンコクへ行ってきました。
 
全体としては、
大型のショッピングセンターやタイで成功されている日本の飲食店、
私が所属するビューティー・メディカルグループとしては、
医療機関やマッサージ、美容室を中心に、
富裕層をターゲットに事業を展開されている店舗を視察しました。
 
タイは日本の人口の約2分の1ですが、
アジアの主要マーケットとして成長スピードは著しく、
きらびやかな高層ビルや、在留の邦人向けのマンションも目立ちます。
※在留の邦人数が約5万人おり、
マンションを建設すれば、空きがまたたく間になくなるようです
 
ただ、所得格差が3倍以上あるということで、
無理やり建てられている感は否めず、
先進と貧困が入り混じった、少し異様な光景にも見えました。
 
今回の研修で最も感じたのが、
日本という国の影響力(タイという国外&私自身に対して)です。
 
まずそれを感じたのが物価の安さ。
 
平均所得が日本円で約8万円(日本は約30万円)のタイでは、
日本の金銭感覚が全く通用しません。
 
飲食店では
「こんな安い料金でこんなに食べられるの!?」
と思ったり、
タクシーやトゥクトゥクという三輪タクシーでは、
ぼったくりと思われる金額をふっかけられたり……。
 
タイの方から見れば日本人は
「バカみたいにお金を使ってくれる良客」
という風に映っているのでしょうか?
 
ただ、気になったのが、働いている方の表情
怒っているのかと思ってしまうほど、全く愛想がない。
 
ガイドの方に聞いてみると、
「外ではそんなことはないが、店で働いている時は無表情になる人が多い」。
 
「文化」という言葉で片付けてしまえばそれまでですが、
日本の接客に慣れている私としては、
金額が安いという印象だけが残り、
またこの店に来たいという気持ちになれません。
 
やはり、成長しているのはハード面ばかりで、
ソフト面が追いついていない印象を受けます。
 
店舗の拡大や効率化ばかりが追求されていたり、
形(店の内装や制服など)だけが取り入れられているだけで、
たとえ、世界に展開されている企業でも、
企業文化というのが根付いていません。
 
ただ、視察で訪れた日本人向けのマッサージ店では、
受付が日本語の話せる笑顔の素敵な女性。
それだけで本当に安心でき、満足感も高まりました。
 
今後は日本人向けのビジネスとしては、
ホスピタリティ」の重要性が、
さらに高まってくるのではないかと思います。
 
また、スマートフォンの普及率にも本当に驚きました。
日本ではおそらく見られない光景ですが、
空港や飲食店の従業員が、至るところでいじっています。
街ではアプリとして「LINE」を使っていたり、
カメラで自分を撮っている人も多く見かけました。
 
ダイソーのタイ法人の社長の講演で、
「タイ人はプライドが高い」とおっしゃられていましたが、
「自分撮り」という行動は、
それを象徴しているのではないかと……。
 
私の今回のメインの視察先である、
医療機関やマッサージは、
日本の資格を持っているというだけで、
非常に価値があるようです。
 
特にこれから開業を考えられている歯科医院の先生は、
日本という厳しい環境だけではなく、
海外進出も選択肢の一つとして、
考えられて良いのではないかと思います。
 
その際はターゲットの設定を

  • 日本人向けに特化するのか
  • 現地の富裕層向けに特化するのか

 
この2パターンで打ち出すことで、成功の可能性も高まりそうです。
 
外観だけではありますが、
いくつかの歯科医院もみさせていただきましたが、
まだまだ改善&さらなる発展の見込みがあると感じましたので、
今後さらに進出される医院も増えてくるのではないかと思います。
 
日本の飽和状態の市場とは違った観点で様々な業種を視察することができ、
刺激を受けると共に、勢いのある成功の可能性を感じられました。
 
今回の研修で日本は良い国だと再認識もできましたが、
それだけに自分自身に対する影響力も大きく、
「日本」というフィルターを通して物事を考えてしまっていると感じたので、
発想を狭めてしまわないようにも、
海外の存在はしっかり意識していきたいですね。

◾️この記事を書いたコンサルタント

歯科コンサルタントチーム

プロフィール詳細

◾️監修コンサルタント

歯科・治療院・エステ支援部
マネージングディレクター

松谷 直樹

2000年株式会社船井総合研究所入社。2004年より歯科コンサルティングに携わる。
開業クリニックから日本有数規模の医療法人グループまでコンサルティングを行っている。コンサルティングのモットーは患者様が「この医院を選んでよかった」と思っていただけるような歯科医院づくり。長期にわたるコンサルティング契約先が多く、15年以上契約している歯科医院もある。
歯科医師会、各種スタディグループ、各種歯科企業での講演実績多数。ビジネス雑誌プレジデント誌における歯科特集への寄稿、デンタルダイヤモンド誌での連載実績、クオキャリア、Ciメディカル、FEED等の各種歯科企業発行機関紙への寄稿実績あり。

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