歯科医院経営と資格の関係性の正しい理解と人材採用・育成方法について

歯科医院経営にかかわる開業に必要な国家資格(医師免許)、及びスタッフ採用時に留意すべき国家・民間資格について

歯科医院の経営や開業時に国家資格(歯科医師免許※1・歯科衛生士免許※2)の有資格者が何人採用すべきか、というのは医療経営者にとっても気になる部分の一つかと思います。
有資格者の採用時の留意点について、本セクションではまとめさせていただきます。

【面接時のチェックリスト】
面接時に応募者に対して準備していただくチェックリストは、以下の通りです。
◆履歴書
◆歯科医師免許のコピー・歯科衛生士免許のコピー
◆筆記具

【応募者への質問例】
◆歯科医師・歯科衛生士になろうと思ったきっかけ
◆活かせる経験や、得意なこと
◆(中途の場合)仕事を通してやりがいを感じるときはどんなときか
◆仕事をする上で、意識していることや大事にしていること

【条件面でのすり合わせ】
◆勤務時間・休日日数
◆雇用体系(常勤・パート)
◆給与

※1通常、歯科医師になるには、歯科大学や大学の歯学部で6年間の教育を受けたのち、歯科医師国家試験を合格し、免許を取得する必要があります。2006年4月以降は資格をとった後、研修施設指定を受けた病院・診療所(クリニック)などで1年以上の臨床研修が義務付けられています。

※2高校卒業後に、歯科衛生士養成機関(専門学校・短期大学・大学)にて、歯科衛生士に求められる知識や技術を学習し、学校の受講プログラムを履修し卒業すると、国家試験(歯科衛生士国家試験)の受験資格が得られます。
毎年3月に実施される国会試験に合格すると、厚生労働大臣によって歯科衛生士名簿に登録され歯科衛生士免許証が与えられます。

経営が有利になる専門医や認定医制度について

クリニック経営において、専門医や認定医制度について「指導医・専門医・認定医をとったほうが良いですか?」とご相談いただくこともございます。
患者目線で考えれば、勿論ですが専門医や認定医の資格を所持していることは強みになります。
近年、患者様はホームページをみて歯科医院を選べるようになっており、「この歯科医院は何に強みを持っているか」をみていることもあります。
特に歯周病、インプラント、義歯、矯正などそれぞれの強みを訴求できるということはマーケティングやブランディングの面からも大いに有利です。

歯科医院経営に関する資格・知識について

歯科医院の経営・開業時には、どの数値をみるか、または予測するかというのがポイントになります。
特にクリニック経営という側面のみで考えた場合、経営関係の資格よりも経営に関する知識を持っているかどうかが重要であると考えます。
ご参考までに弊社でもコンサルティングをする際に意識している数値は以下の部分です。

□保険売上/月□自費売上/月□延べ患者数/月
□診療日数/月□レセプト枚数/月□再初診数
□メンテナンス対象数□メンテナンス来院数
□新患数
□新憲数の内訳( 画10新患数の内訳(来院理由:HP、知人・家族紹介など)
□急患数□TELキャンセル数□無断キャンセル数(TELなし)
□自費売上金額・売上数の内訳(補綴・矯正・インプラントなど)□人員体制

・ドクター数
・DH数
・DA数
・受付数

上記の数値がどう変化していくか、今後どう変化していけば歯科医院経営者の目指す姿に近づけるのかがはっきりとしますので、改めて自院の数値を振り返ってみてはいかがでしょうか。

歯科医院における資格範囲外の違法行為とその注意点ついて

このセクションでは、歯科医院の経営時において必要な知識となる、歯科医師法の義務、違反行為や罰則内容について解説いたします。

歯科医師にも定められた業務範囲や義務範囲というものが存在します。
歯科医師法にはドクター業務の具体的内容として、無診療治療の禁止や処方箋交付義務などについての規定があったり、診療録(カルテ)についても保管義務などの決まりが存在します。
これらの歯科医師法によって定められた規定に反する行為をすると、罰則されることもあります。
また歯科医師だけではなく、歯科衛生士や歯科助手の業務範囲にも注意する必要があります。

【歯科医師の義務行為】
歯科医師は、歯科医療と保健指導により、公衆衛生の向上や増進に寄与し、国民の健康的な生活を確保するという、任務が定められています。
上記の内容を前提として

  • 患者様に対する療養指導義務(歯科医師法22条)
  • 患者様に診療を求められた場合に断らず診療しないといけないという応召義務(歯科医師法19条1項)
  • 診断書の交付を求められた場合の診断書交付義務(歯科医師法19条2項)、
  • 診療せずに治療する無診療治療の禁止(歯科医師法20条)
  • 必要な薬についての処方箋の交付義務(歯科医師法21条)
  • 歯科医師の現状届(歯科医師法6条)
  • 診療録の記載及び保存義務(歯科医師法23条)

※参照「歯科医師法」より

【歯科助手の業務範囲】
また、歯科衛生士や歯科助手の業務範囲にも注意する必要があります。
歯科助手は国家資格ではなく民間資格であり特別な資格はないため、歯科助手の業務範囲は、受付や診療台への案内から治療のサポート業務、会計や電話応対などが主な仕事となります。
一方、歯科医師や歯科衛生士は国家資格であるため、治療行為や予防処置が可能です。
上記の国家資格所持者は、患者様の口の中に手を触れることができますが、歯科助手の場合は認められていません。
勿論、レントゲン撮影の実施も歯科助手の場合はできません。

今は上記内容に関してもシビアになっていますので、小さいことで足元が救われるということがないように、今一度、決められたルールを守った中で歯科医院の経営を行っていくということが必要とされています。

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