歯科治療における歯科医院の選び方と診療費用の内訳について

症状・目的に合った歯科医院を選ぶための観点について

我々は歯科医院向けのコンサルタントとして、日本全国さまざまな場所で開業されている歯科医院にお伺いしていますが、近年、エンドユーザーである患者側の歯科医院に対する見方が変化していると感じています。

そんなことを実感する1つが「症状・目的に合わせた歯科医院の選択」が一般化しているということです。

当たり前ではあるが、患者さんが初めて歯科医院に来院する際、「自宅から近い」「職場から近い」といった立地を考えたり、家族・友人などからの「紹介」を参考にしたり、スマホやPCなどから検索を行い、「Web上の利便性」の高いところを選択して来院している。

これまでの歯科医院経営の常識から考えると、「一度来院してもらえれば(よっぽどのことがない限り)治療終了までその歯科医院で完結するもの」というのが一般的かと思われるかと思いますが、実はそうでもなくなってきています。(※矯正の専門医などの場合は別です。)

弊社のクライアントですと、他院で虫歯・補綴治療を行っており、コアを立てたところまで治療を行っている状況で、「セラミックを入れること」を目的にして、治療途中から来院されるケースが増える歯科医院もあるのが事実です。
この医院では、技工所様との連携によりジルコニアセラミックを相場価格の半分の仕入れ値で卸すことに成功しており、患者側もリーズナブルな価格で審美的に優れるセラミックを入れることができため、そのようなことが起きていると考えます。

良くも悪くもスマホの普及率が高まり、これまでは歯科医院に行かなければ手に入らなかった情報がいつでもどこでもスマホで検索ができることになりました。
この患者さんもセラミックの情報(特に費用)を収集されたことで、虫歯治療する医院・セラミックを入れる医院に分け、自身のニーズに合った歯科医院を選択したと言えるのだと思います。

実はこのセラミックの話に限らず、虫歯治療の中で、セラミックなどの選択肢を提案されなかったために、健康面が気にして金属を入れられこと自体に嫌悪感があった患者さんが別の医院へ移るということも増えてきています。

また、自由診療を中心とするインプラント、矯正、義歯(入れ歯)、ホワイトニングなどでは一般的になっています。
また、「虫歯などの一般治療はこの歯科医院。だけど、歯周病治療、予防としてのクリーニングはこっちの歯科医院」という保険治療内での使い分けが進んでいると感じおり、自身の口腔内に最適な歯科医院を探し出すことが一般的になっています。

歯科医院における症状別の診療費用の相場について

開業したばかりの歯科医院の方や、新しい診療を取り入れたときに必要となるのが、正しい値付けです。

保険診療の場合は、診療行為に対しての診療報酬を設定くれますのでそこまでに気にことはないと思いますが、自由診療の場合にはそういうわけにはいきません。

ここでは各自由診療の相場を確認していきましょう。

【セラミック】
最近ではCAD/CAMを利用したジルコニアやE-maxなどのセラミック素材が、リーズナブルな費用で提供できるようになりました。
技工代はフルジルコニアクラウンで8,000~10,000円程度であり、提供価格は40,000~50,000円という医院も増えてきました。

一方で、メタルボンドやオールセラミックや陶材を盛り付けるなどは、そこまで変化がないため技工代は15,000~25,000円程度であり、提供価格は75,000円~125,000円となります。
※著名なセラミストなどに依頼する場合には、それ以上の費用になります。

ハイブリッドクラウンは、技工代で10,000円前後のところが多く、提供価格は50,000円程度に設定しているところもあるようです。
多くの医院では、ジルコニアなどと比べて優位性が劣るため、ハイブリッドの使用は辞め、ジルコニアなどの素材に移行しているケースが多く見受けられます。
メタルボンドに関しても同様で、技工代の高騰、メタルフリーの浸透により扱いをやめる医院も増えています。

またインレーは、E-maxは技工代が8,000~12,000円、提供価格は40,000~60,000円、ハイブリッドで5,000~8,000円、提供価格は25,000~40,000円というのが相場です。

歯科業界では、「値付けは技工代の5倍」というのが慣習になっていますが、昨今の人財不足、材料代の高騰、設備投資などを考えると妥当な値段設定だと考えられます。

【インプラント】
インプラントにおける技工代はフィクスチャーが30,000円、アバットメントが20,000円、上部構造が10,000~20,000円となります。
合計で60,000~70,000円になってきます。
先ほどもあった技工代の5倍の値付けで考えると、提供価格は300,000~400,000円となります。

自由診療・保険適応内診療の範囲の差異について

皆さんは、患者さんから「自由診療と保険診療の違いは何ですか?」なんて質問を受けたことはないでしょうか?また、皆さんであればどのようにお答えしていますか?

医療機関、特に歯科医院で勤務される方であれば、この差を明確に区別できると思いますが、一般の患者さんはそうでもありません。

また、この差をきちんと患者さんにお伝えできる歯科医師、歯科衛生士、歯科助手などのスタッフが多ければ多いほど、その歯科医院の診療へのこだわりや特徴を患者さんにも伝わっているように感じます。
その結果として、高い自費率になっている歯科医院も多く見受けられます。

保険診療というのは、2年に一度行われる診療報酬改定のたびに見直しが行われるわけですが、社会保障費が切迫している日本では、歯科医院を始めとする医療機関は厳しい状況になっており、保険診療の範囲も変化しています。

国の以降としては、できるだけ治療費がかからずに一生を終えることができる社会作り出こそが、永続的に国家を繁栄させる状況なファクターとして捉えており、要介護度にならないための健康管理や、何かしらの疾患を持ってしまった人が短期間で治癒(経過観察も含む)するための重要視する流れになっています。

これは所謂、「機能改善」というものです。

その治療行為が実際に効果があり、改善が見られるものであれば、積極的に保険適用になり、そうではない、もしくは不明瞭なものは保険診療から外されるなど流れになっています。

また、機能改善が治療方法や素材であれば、先進的なものであっても積極的に導入されています。
これは薬価の世界では当たり前ですが、医科歯科の世界では2016年から動きが出始めました。
CAD/CAM冠やファイバーコアが保険適用になったのはその影響です。
2018年の改定でもグラスファイバーを用いたブリッジ治療の保険適用が検討させており、その動きは今後も続くと予想されます。

このように、今までは使用する素材や行為によって、明確に分けれていた自由診療と保険診療ですが、少しずつその差がなくなってきています。

ただ、今も昔も変わらずに言えることといえば「保険診療は悪いものでもないが、国が認めた“最低限”の診療内容・素材である」ということだと思います。

ぜひ時代の変化に気づき、患者さんにも明確にお伝えできるように体制を整えていきましょう。

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