数字の背景を考える‐歯科医院経営のツボ‐

2013年04月14日 (日)

コラムテーマ:
歯科医院経営

こんにちは

船井総研の森 太寅(もり たかのぶ)です。

 

業績を上げるための最もシンプルな公式。

「売上=客数×客単価」

 

この公式を歯科医院に当てはめて考えると、

「売上=患者数×患者単価」

 

このようなお話をすると、

「お金儲けをすることは良くない」

「経営のことは考えずに、ドクターとして治療にだけ集中したい」

とおっしゃられる院長先生もいらっしゃいます。

 

現在、全国の歯科医院数は約6万8千件。

コンビニエンスストアが昨年5万件を越えたぐらいですから、

その数の多さは実感していたけるかと思います。

 

医院数が過剰ともいえるほど増え続けてきた一方で、

統計として1医院あたりの保険収入は、

1996年をピークに下がり続けています。

 

しかし、一律に全ての歯科医院が厳しいという訳ではなく、

しっかりと対策を行なわれてきた各地域で上位の歯科医院は、

単院でも1億円を越える規模で経営されています。

 

マーケティングの要素のみで医院経営を考えた場合、

  • 患者数を増やす
  • 患者単価を増やす

この2点をあげる取り組みの優先順位をつけて、

かつ継続的に対策すれば、業績は確実にあがります。

 

重要な視点としては、

何に対して有効な取り組みなのかを考えて対策することです。

 

例えば、患者数を新規と既存で分けて考えると

患者数=新規(純初診)+既存(再初診+再診)

 

「新患数を増やしたい」と考えられるのであれば、

口コミ(紹介)の発生、ホームページ、看板…

それぞれに有効な対策を行ないます。

 

「既存患者数を減らしたくない」と考えられるのであれば、

  • 治療の中断、キャンセルの防止
  • 定期健診での継続的な来院

その対策のために、院内での情報発信と仕組みを整えていきます。

 

ただ、1日あたりに診られる患者様の数は限界があります。

ここまでの対策がしっかりと行なえており、

レセプト枚数が確保できている医院の次のステップは、

患者単価を上げる取り組みになります。

 

患者単価=1回あたりの治療費×通院回数

1回あたりの治療費は、

保険診療と自由診療に分けられます。

※混合診療ではないというのが前提です

 

通院回数が意味もなく増えることは、

患者様の不満足につながり悪い口コミにつながります。

さらに、レセプト1枚あたりの平均点数が上がれば、

指導の対象になりかねないので、現実的とはいえません。

 

必然的に単価を上げるためには、自由診療の割合を高めることになります。

 

しかし、自費率に関しては経営として上げるのではなく、

自由診療が患者様にとって良いものだという、

院長先生の考え方が根底になければ私はおすすめしません。

 

使える素材や作業工程、診療にかけられる時間、

患者様の将来を考えるならば、確実に自由診療の方が良いといえるでしょう。

私はドクターではないですが、実際の症例や院長先生のお話を聞き、

情報を持っているからこそ、そのように思えます。

 

しかし、何も情報を持っていない患者様にとっては、

「不当に高い金額を請求された」

「あそこの歯医者は行かない方が良い」

ということにもなりかねません。

 

たとえ、院長先生が自由診療は良いものだと思っていても、

それだけでは患者様に伝わりません。

正しい情報を伝え、選択していただくということが重要になります。

 

そのためには、

  • 院外・院内での情報発信
  • 診療メニューの組み方
  • カウンセリング

この3点の取り組みが必要です。

 

マーケティングの要素だけでいえば、

  • 既存患者の固定化
  • 新規患者の獲得
  • 自費率アップ

コンサルタントがお手伝いする領域はこの3つがメインです。

 

そこに、マネジメントの要素を加味すると、

  • 既存患者の固定化
  • 新規患者の獲得
  • 自費率アップ
  • 組織力活性化
  • 接遇・オペレーション改善

仕組みを整えても、その組織に定着しなければ意味がありません。

モチベーションが低いスタッフがいれば、強い組織にはなりません。

マーケティングとマネジメントの両軸を連動させておこなっていきます。

 

  • 分院展開をして医院規模を拡大したいのか
  • 単院でも安定した経営をおこないたいのか
  • 自分が力を入れたい治療で患者様に貢献したいのか

このような 院長先生の思いが数字としてあらわれてきます。

「経営に力を入れる≠金儲け」ではありません。

 

医院の成長は院長先生の思い一つで変わります。

コンサルタントは院長先生の思いを実現するために存在します。

院長先生の思いを実現するために、少しでもお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いたコンサルタント

森 太寅

プロフィール詳細

「治療技術は一流でスタッフの方々に対する愛情もあるのに、そのことを上手く伝えられていない院長先生が圧倒的に多い」。コンサルティングの現場で感じた経験から、院外・院内での情報発信、先生とスタッフの円滑なコミュニケーションを図り、先生の思いを実現できる医院の姿を目指していく。先生、スタッフ、患者さま、それぞれの間に入り、「つなぐ」ことをコンサルティングの信条としている。

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